卵とオレンジの日々。 忍者ブログ
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汐音 凛
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女性
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観劇・扮装・食い倒れ・旅
自己紹介:
宝塚ファンまっしぐら。
バカまっしぐら。

宝塚を愛し過ぎてうっかり扮装(笑)衣装から何から全て手作りですよ〜
バカですv

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2007/06/20 (Wed)
ルキーニの目に宿る狂気の色。
ハプスブルクの亡霊たちが織り成す、黄泉の世界。

帝王、トート閣下。
またの名を死。


閣下、今日の目元はラメ塗りすぎで泣いてる見たいに見えますぜ!っと心の中で突っ込みつつ片翼の帝王は静かに降臨する。

肖像画から飛び出してきたシシィ。
胸いっぱいに深呼吸して輝く瞳。
閣下が一瞬にして恋に落ちてしまうような…キラキラと輝く瞳。

閣下がその瞳を見たとき、電気ショックのような
恋に落ちる瞬間が見える。
黄泉の世界をつかさどる死が恋をする。
この物語の本当の始まりのシーン

皇帝陛下は神のご加護で臣民全てに義務を果たされていた。
カチっとした詰襟を少し苦しそうに着こなし、可愛いエクボを隠して強く厳しく冷静に。
誰もが恋に落ちてしまいそうな、若くてハンサムな皇帝フランツヨーゼフ。

当然、番狂わせなプロポーズにもシシィは甘い夢を見る。
全ての予定を狂わせる。世界の全てを狂わせるほどの一瞬の夢を。

トート閣下はご立腹だ。
過ちを犯したエリザベートに。
自分の予定が狂った事に。

皇帝と結婚したエリザベートの過ち。
たった一人の少女に恋をしたトートの過ち。

世界が歪む。

賽は投げられた。

婚礼の夜、トート閣下のお出まし。
お前はオレと踊る運命だとエリザベートに思い知らせるために。
閣下の目がく見える。
蒼い血が流れる帝王の目がに。

エリザベートは死に怯える。
それこそが彼女が本当に求めるものだと、今はまだ気づけない。

ゾフィー・リヒテンシュタイン・女官
皇后の務め。
しきたり・従順・王家への忠誠。
自由を求めるシシィと相反するものの強要。

追い詰められて、追い詰められて
自我に目覚めるエリザベート。
宮殿ではなく、私の魂はもっと自由!
力のありったけで叫ぶ、私が命ゆだねるそれは私だけに!!

このとき何故閣下はエリザベートを生きながらえさせたのか。
それはきっと生きている彼女の瞳に恋をしていたから。
強く強く生命力をともした瞳に恋をしていたから。
彼女の瞳はそのとき、自我に目覚め素晴らしく光り輝いていた。
閣下は、もっともっとその瞳を見ていたいっと思ったのかもしれない。

ハンガリーでは皇后陛下は凄い人気で危機を救ったとさ~
ウィーンのカフェではみんなが退屈している。
ザッハトルテを食べたり、編み物をしたり。
王家のニュースにはうんざり。退屈!暇だったらありゃしない!!
この店なら安心して革命運動も出来る。
いろんな人が集まってくる。
黄泉の帝王と革命家、偶然を装って遭遇。
ジワジワと闇が広がっていく。

一方宮殿では、嫁姑問題。
夫婦の危機。
皇帝フランツヨーゼフともあろうものが、妻に締め出され扉の前でうなだれていた。
終いには最後通告を突きつけられる。
選んで!お母様か私か!!
意気消沈するエリザベートに忍び寄る黒い影。

今こそお前は自由になれるのさ!
行こうよ~2人で!!

嫌よ!逃げないわ!
生きてさえいれば自由になれるわ!!
死なんかに頼ってたまるものですか!私は私の力で自由を勝ち取ってみせる!!

バンッ!

黄泉の帝王はまたしてもご立腹だ。
死こそ自由だと何故わからない?
お前が求める自由がオレだと何故気づけない?!


自信満々に迫っただけに、閣下は引っ込みどころが無くなって礼儀正しく扉から出て行く。
悔しさとやるせなさとやり場の無いもどかしさ…
冷たい血に沸き立つ熱い思い。

その頃、民衆は飢えていた。
歪はどんどん大きくなる。
大帝国が崩れる前の、足音。
民衆こそ力となる。国ひとつひっくり返すのは英雄でも皇帝でもない。
民衆。
閣下はそこに目をつけた。
皇后は偽善者だ!国を救ってる?イヤ違う!
贅沢を持て余し、我々を苦しめるのは皇后だ!!
新しい時代を動かす力。そのパワーが爆発する。

再び宮殿、鏡の間。
皇帝は皇后の要求を通した。皇帝としての信念を曲げてまで。
皇后は光り輝く。この皇帝と共に歩むと。
ただ、私は私なのだと。
私の人生は私のものなのだと言い切った。

それを天と地の間で見守る黒い影。
お前に命を許したために、生きる意味を見つけてしまった…
オレはお前しか見えないのに。
お前だけを見ている俺を無視してお前は自分の道を歩くのか…

こんなに切ないキモチがあるのか。
こんなに苦しいキモチがあるのか。


愛していると叫んでも、その声は届かない。

エリザベートの名を叫ぶ閣下の背中が闇に消えていく…
その背中は、いつも寂しそうで苦しそうで
暗い足音がカツンカツンと冷たく響く。

**************************************

皇后は美女の写真ばかりを集める。
何故か。
鏡に写る自分の顔とどちらが綺麗か比べたのさ!

彼女は恐れていた。
美貌が衰えて権力が薄れることを。

ハンガリーでは戴冠式が行われている。

オーストリアとハンガー2つの国に1人の王様。
2重帝国の誕生。

エリザベートが自分の力で勝ち取った大勝利!

エーヤンと褒め称える声の中、禍の種は着々と芽吹き育つ。

飛ぶがいい 鴎よ 私の腕の中で
私はもう1人で飛べる 邪魔しないで!

光り輝く皇后。人生最高の時。

今だけだ。いつかオレを求める時が来る。
最後のダンスはオレのものなのだから。

一方、皇太子ルドルフ殿下は、ママの愛に飢えていた。
猫を殺した。
勇気を試すために。
寒い。怖い。ママ、どこにいるの?

忍び寄る影は果てしなく冷たい。
誰?友達?

氷のように冷たい手。
君は僕の傍にいてくれるの?
僕、英雄になれるかな?

ゾフィー皇太后は我慢の限界。
君主制の危機。嫁姑問題の敗北。
編み出した案は目には目を!!

少女のような、女のような。
どこかで見たような怪しい美しさ~
送り込んだスペシャルはマデレーネ。
さぁ、皇帝陛下を誘っておいで!

作戦は大成功。

その頃、エリザベートは体系を維持するためストイックなダイエットに励んでいた。
3日も食べてない。
毎日毎日体操ばかり。
自分の権力を維持するためのダイエット…虚しい戦いだ。
ドクトルゼーブルガーが差し出した1枚の写真。
宮廷内でのスキャンダル。
意気消沈するエリザベート。どうしたらいいの私…生きていけない

死ねばいい!

さぁ、今こそでかけよう!黄泉の国へ!!

待ってよ!彼が罪を犯したなら、その分私は自由になれる!!

誤魔化すなよお前はあいつを愛しちゃいない!
お前が愛するのはこの俺だ!!

情熱の赤いシャツ。
情熱の赤い目。

迫り来る帝王にエリザベートは言う。

あなたが本当に死だというのなら私の命を奪うがいい。
でも、愛することは出来ない!

フッ。
どこまでも自信がある。
彼女が自分を本当に必要としている確信がある。
今に死にたい時が来る。

皇后はあてのない旅に出る。
電車を乗り継ぎ、舟を漕ぎ、1日に8時間も歩き続ける。
安らぎの無い年月。
あっという間に月日は流れ皇太子は成人。
母の愛に飢え、父の教育は厳しく
家庭内の亀裂は大きくなるばかり。

皇太子が革命家と手を結ぶ。
そっと忍び寄る黒い影

君は思い出す。
幼い日の思い出を。
不安か?傍にいてやろう!


今、君は全てを手に入れられる!
見過ごす手は無い!!
さぁ!立ち上がれ!!!

闇が広がる。皇帝ルドルフはついに立ち上がる。
取り返しの付かない革命の舞台に…

独立運動は失敗。
皇太子が逮捕される。
皇位継承は難しい。

最悪の事態に陥ったルドルフの下に、やっと待っていた人が帰ってくる。

孤立無援。誰も助けられない。
ママだけが、パパを説得できる。

しかし、ママは自分を守ることで精一杯。

ついに皇太子は追い詰められた。

死にたいのか?

友達は言った。

死のワルツが聞こえる。
マイヤーリンクの冷たい雪の中、皇太子は死の舞を舞う。

帝王は笑う。
冷たく笑う。

息子の棺にすがりつくエリザベート。
ルドルフ、どこなの?
ママの声は聞こえるの?

その声はもう、ルドルフには聞こえない。

息子を奪った黄泉の帝王に死なせてと縋る。
しかしその目は…かつてトートが恋に落ちたその瞳ではなかった。
うつろな瞳。
その瞳には生きるエリザベートの光は見えなかった。
逃げ場として死を選んだエリザベートを黄泉の帝王は受け入れない。
その瞳はまだ、私を愛してはいないのだから…

たった一人の人間なのに、何故こんなにも俺を苦しめる…
涙を流せないその瞳にともる悲しげな眼差し
手を這う傷口を癒せるのはお前だけ

いつか、お前がオレを愛するまで
オレはお前を追い続ける

エリザベートを追い求めるもう一人の男。
フランツヨーゼフ。永遠に分かり合えることの無いすれ違い夫婦。
二隻のボートのゴールは永遠に交わらない。
君には君の港がある。
その港には誰がいる?

わからない。でもずっと誰かが待っている。
それが誰なのか…エリザベートはもうわかっている。

素晴らしく晴れ渡った日、船に急ぐ皇后はイタリア人のテロリストに襲撃される。

そのとき知る。

私の港に待っている人。
彼の姿が一瞬見えた。
両手を広げ、私を自由へと解き放ってくれる人!!

彼女は2回目の刃を受け入れる。

喪服から、全ての束縛から解き放たれて現れたシシィは
そう。あの時。
私は私だけなのだと、自我に目覚め強く強く瞳に光をともしたあの時のシシィ。

待っているのは黄泉の帝王。
今こそ、お前を黄泉の世界へ迎えよう。
2人で泳いでわたろう。愛という名前の深い湖を。。。

その先に見えるもの。

死と人間が恋に落ちた。
その先にあるものは、永久の安らぎ。
永遠の自由。
そして、深い愛。
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